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「血脈」 佐藤愛子著

7月5日(日)
「血脈」  佐藤愛子著

この小説は、作家佐藤愛子が、自らの血族のことを
10年に渡って書き続けたものである。
上中下巻、3冊から成り立ち、
さすがに10年の長きにわたる執筆、読み応えがあった。

私は佐藤家の人々を身近に感じながら、
この2ヶ月を過ごしていたと言っても過言ではない。

長い物語なので、一言で説明するのは無理だが
とにかくまとめると、破天荒な血筋を持つ佐藤家の人々の生き様を
見せてもらうわけである。

佐藤愛子の父親は、戦前の超売れっ子作家「佐藤紅緑」。
母親違いの兄が詩人「サトーハチロー」 。
佐藤紅緑は、俳人として正岡子規とも交友がある。
菊池寛は、紅録の弟子である。
その紅録に、破天荒な生き方を発し、
その息子ハチローも、また破天荒。
しかしその他の息子たちは、自殺や、薬中毒やら、情死やら
まっとうな人生を歩むことなく早死している。
唯一成功者のハチローの息子たちも薬物中毒でのたれ死ぬような
いい生き方をしていない。
その端を発するのが、紅緑の情念の身勝手な生き方である。

紅緑は、新しい恋人の出現で
正妻と6人の子どもを捨てる。
その新しい恋人とは、女優志望の弟子「シナ」という女性だったが
肝心のシナは、添い遂げながらも、最後まで
紅緑を好きだと思ったことなく、囚われ人のような生き方をする。
その娘が、愛子(作者)である。

ここに上中下巻のことすべてまとめても仕方ない・・・・
とにかく、私が思い続けたlことは
破天荒な、めちゃくちゃ」な生き方って・・・・
私の父の生き方が、破天荒だと思っていたが、とても比べ物にはならない。
明治・大正・昭和の人々は、こういう勢いで進んでいたのか・・・と。
父の超、個性を、もっとわかってあげればよかったなぁ・・・

そんなことを考えてしまった。
Commented by ぷー at 2009-07-06 17:19 x
佐藤愛子の後ろにはそんな激しい家族がいたなんて、 知りませんでした。 今太宰治の生誕100年で話題になり、 若者に未だに人気のある本「斜陽」を読みました。 高校時代に読んだ記憶がありましたが、若すぎて内容を理解することが出来ませんでした。 落ちぶれていく元華族をあつかった本ですが、 若者達が共感するというのが理解できません。
働くと言うことを知らない人たち、 一人主人公のかず子が私生児を身ごもり、 それから強く生きてゆくであろうことが、 読後の救いでした。 
草の花さん、 もうすでに読んでいるでしょうね。 
もう1冊「人間失格」 もこれから読む予定です。 
Commented by kusanohana-nonchi at 2009-07-07 00:15
ぷーさま
太宰治は、若い頃、傾倒してました。でも、主人公の生き方に納得がいかなかったのは、私も同じです。でも、その感性がわかるのが、真の芸術家?のような感に思われ、わかろう、わかろう・・・としてきました。今読めば、また違うのでしょうね。私も読んでみます。
by kusanohana-nonchi | 2009-07-05 22:20 | カルチャー | Comments(2)