酒田の旅~その2~

3月13日(木)
酒田には4泊した。
旅行代理店以上の働きをする夫が、徹底的に調べあげた旅行なので
異常なほど、マニアックだ。
だから普通なら半日程度の観光で済ますような場所でも
じっくり、丁寧に、繰り返し見るので、酒田に4泊となった。
過去、どの場所でも、普通の旅の2倍以上は時間を費やしている。
こういう旅をしていると、観光バスのご一行様は恐怖だ。
静かに、普通に見ているところへ、突然、すごい人数の人々が押し寄せる。
だいたいが、ちょっとの情報だけでバスに乗っかってやってくるので
その感想やら、薀蓄やら、言ってることが、
ほんとに、めっちゃくっちゃ。
その騒ぎを少し我慢して耐えていると
その騒ぎは潮が引くようにあっという間にいなくなる。
ま、そうは言いながらも、観光バスのご一行様が来てくれないと
観光地は困るのですけどね。

酒田の旅では、出会いがたくさんあった。

10日ほど前、私の手作りブログを見てくださった方から
メールが届いた。初めての方だった。
ブログからHPを見て、私の聖書キルトに興味をもたれたとのこと。
パターンを分けて欲しいという旨だった。
その方が、なんと、酒田の方だと言うのだ!!
ここまでの偶然は、すごいことだと思い、とうとう酒田でお会いすることになった。
宿の前で、観光する前の時間にお会いした。
しかも、ご主人もご一緒に。
ご主人も私たちを車で案内して下さると、丁寧にお誘いくださった。
私の夫が、自分の企画した旅を貫く人なので、せっかくのお誘いは
お断りしたが。その数分の暖かい、そして初対面とは思えない会話は
不思議なものだった。
インターネットでつながる世界って、悪をもたらすこともたくさんあるけれど
こんな出会いをくれることもあるし、なかなかいいものだ、うん。
そして、初対面でも話しが弾むってことも、あるもの・・・・。

その出会いの後、旅館を後にして本間美術館に向かう時、
呉服屋さんのショーウインドウに、生地を折っただけの抽象的なお雛さまが
飾られてあった。雛壇の屏風は、金色の帯を折ってある。
その珍しさに立ち止まって見ていたら、
中からこちらを見ている大きな目と合った。優しい目だったけど。
ドアを開けて、どうぞ~~中にお入り下さいと言う。
(たぶん夫と同年代)女主人は、さり気なく、中に呼び込み、
お雛さまの話しをし、酒田の情報を教えてくれ、
よそから酒田に来てくれて嬉しい、と私たちの話しを楽しそうに聞いてくれ
ついでにお茶をいれてお茶菓子を出してくれ・・・
とにかく、初めての人を招き入れて、接待をし、話しをする
そのすべての行動が自然なのだ。
本当にすごいことだ。
私には絶対にできない。
この方だって、初対面よ。それなのに話しが盛り上がることと言ったら。
最後には、私がせめてHPのお雛さまでも見て欲しいと思って
HPのアドレス入り名刺を渡し、
その方からは、お店の名入れの干支の手ぬぐいを頂いた。
しかも、翌日、車を運転する彼女と、道でばったり会って大笑い。
何だか、楽しい話でしょう?

次は夫の話。
最終日に、夫が最後に私に買うと言ってくれたのが傘福の土台。
人形店に売っていた。
これで来年以降、私は傘福を自分で作る楽しみと、重荷を負った。
そのお店の女主人に支払いをしようとすると
「お客さん、3日前くらいから、酒田にいらしてますよね」と。
え~~5日もフラフラしてるから面が割れてる~~~とびっくりした。
言われてみたら、私もその女性を傘福会館で見ていた。
聞くと、人形店の元従業員に、夫にうり2つの人がいて
3日前に夫を傘福会館で見かけた時、びっくりしたと言うのだ。
声をかけるかどうか迷っていたがそのままになっていたのが
今日、お店に来てくれるとは思わなかった・・・と興奮気味。
その後話は弾んで、女主人、ご主人といろいろ話して帰途についた。

最後に。
私は若かりし頃、熱烈にある小説家のファンだった。
開高健(かいこう たけし)という。
開高健は1989年に亡くなっているので、著書はほとんど持っている。
開高健が審査員をしていたエッセイのようなものにも応募したし、
ファンレターも書いたことがある。
その彼は、酒田のフランス料理のレストラン「ル・ポトフ」を絶賛していた。
20年以上前の話である。
私は結婚した頃、開高健を師と仰いでいたので
夫にも、本を読めだの、こういうことを彼が言っていたと、熱く語っていた。
夫が全く共感を持たなかったし、
私が出産などを経験して、価値観が変わり、
開高センセイの男の世界に、共感を持てなくなくなってしまったことから
遠くなっていた。
肝心の私がすっかり忘れていたのに、夫が
「とうとう約束が果たせる」と言う。
何のことかと思ったら、「ル・ポトフ」に連れて行く約束だと言う。
そして、我等はル・ポトフに行った。
開高センセイと同じ空気を吸ったのである。
懐かしい?私の青春に引き戻されたような、酒田での出会い。

あんな、こんな出会いがたくさんあった酒田の旅だった。

傘福についての詳細はこちらから どうぞ、ご覧下さい。
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Commented by ningyonoheya at 2008-03-16 01:22
サプライズいっぱいの素敵な旅、読みながらワクワクしました。楽しさが伝わってきましたよ。人や物との出会いが旅を更に豊かにしてくれますね。今度のお雛様の季節はどちらにいらっしゃるのでしょう?有能な ツワーコンダクターさんの企画が楽しみですね。

「ル・ポトフ」のお話・・・いいですね~
お好きな「開高 健」のお気に入りのお店に行けたこと。
そしてご主人のお気持ち・・・
Commented by kusanohana-nonchi at 2008-03-17 00:21
NINさま

星野道夫さんを原点に思っているようなあなたのことを知って
自分の原点は開高健だったことを思い出しました。
でも、私の今は、哀しいくらい開高センセイの影響から離れてしまいました。

実はね・・来年は再び柳川&久留米らしいの。
もしかしたらリベンジ果たせるかも!?
Commented by ningyonoheya at 2008-03-19 00:29
まぁ~!・・・柳川と久留米なの!
決まったら 是非お知らせくださいね。
ご一緒できたら嬉しいな~
もちろんご主人さまの了解がいただけたら・・・のことですが
Commented by kusanohana-nonchi at 2008-03-19 21:39
★NINさま
たぶん、いや、絶対実現しそうです。
そうは言いながら1年先のことですが、お会いできると思います!
by kusanohana-nonchi | 2008-03-13 21:58 | | Comments(4)