元文学少女
2019年 09月 16日当事は思わなかったが、
今思えば、そうだ。
長き人生の度重なる引っ越しでも
とうとう手離さなかった本たちが
太宰治
遠藤周作
開高健
ってな具合。
先週金曜日に封切られた
小栗旬主演映画
「人間失格」を
超珍しく封切り日、朝いちで
見に行った。
何の衝動かは、わからないけど。
若い時、太宰治が好きだったか?というと
そうではない。
太宰治とか、中原中也とか、石川啄木とか
実生活でちゃんとした生活できず、
その乱れを文学にするような輩(やから)は
嫌いだった。
でも高校生の時、
友人と熱く語っていたころ
「満足した人間からは
何も生まれないのよね~」なんて
話していた。
そういえば、坂口安吾の「堕落論」が
好きな友もいた。
何背伸びしてたんだ~って気もするけど。
この映画を見て、想像してたけど
やっぱり太宰治ってこういう人だったんだ~
と妙に納得。フィクションなのにね。
映画では、最高傑作を書くために、
浮名をながし続け
家族を犠牲にしてきた太宰が、
とうとう妻から(宮沢りえ)、
もう私たち家族を壊してもいい、と
逆に捨てられ、
肺結核で命に終わりの見えた太宰が
人間失格を執筆する。
家に帰るなり「人間失格」を読み始めた。
不思議な感覚。
ここにあるこの小説の向こう側を
覗いてきたような・・・
ヴィヨンの妻は、正妻をモデルにした小説だそうだ。内容は全く覚えていない。